Q.会社の経費管理にクレジットカード会社から毎月送付される利用代金明細書を使っています。カードを利用した店舗からもらう領収書は保管していません。何か問題がありますか?

A.消費税の計算では、クレジットカード会社から送られてくる利用代金明細書を保存するだけでは仕入税額控除を受けることができません。必ず、利用した店舗の領収証やカードの利用明細を一緒に保管する必要があります。

消費税法では、仕入税額控除を受けるための要件として次のような規定を設けています。

事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等(※)を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れに係る課税仕入れ等の税額については、適用しない(仕入税額控除できない)。

「請求書等」とは、次に掲げる書類をいいます。

事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で次のイからホまでに掲げる事項が記載されているもの

イ 書類の作成者の氏名又は名称

ロ 課税資産の譲渡等を行った年月日

ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(当該課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)

ニ 税率の異なるごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額

ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

ちょっと分かりにくい規定ですが、要は「請求書等」とは、サービスを提供した店側が利用者に対して交付したものでなければなりません。したがって、クレジットカード会社から送られてくる利用代金明細書は、課税資産の譲渡等を行った事業者が交付するものではないため、そもそも「請求書等」に該当しないのです。

しかし、利用者側としてはクレジットカード会社から届く「ご利用代金明細書」という名称と、すべての請求金額が一覧で記載してあることからこの書類で事足りると勘違いされている方が多いです。消費税の仕入税額控除を受けるためには、利用した店舗の領収書やカードの利用明細を一緒に保管するようにしてください。

詳しいことは税務の専門家である税理士にご相談ください。