Q. 金融商品への投資に興味があるのですが、現行のNISAが令和6年から新しいNISAとして従前より年間投資枠が拡大されると聞きました。どう変わるのか教えてください。

A.  令和6年からの新しいNISAでは従前の「一般NISA」は「成長投資枠」として120万円から240万円に、「つみたてNISA」は「つみたて投資枠」として40万円から120万円に年間投資枠が拡大されます。また、生涯の非課税保有限度額(合計1,800万円)が新たに設定されることになりました。

解説

NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税制度)は、個人の資産運用を後押しするために作られた税制の優遇制度で、購入した株式や投資信託などの売却益や配当金が一定の範囲内で非課税となります。新しいNISAでは、「貯蓄から投資へ」の流れを加速し、国民の長期的な資産づくりを推進させるために年間の投資枠が拡大されることなりました。また、非課税保有期間を無期限にし、口座開設可能期間も期限を設けない恒久的措置となりましたので、ロールオーバー等の手続きがなくなります。なお、現行NISAと新しいNISAは別々の制度ですので、現行NISAの口座で保有する商品を、新しいNISA口座へロールオーバーすることはできません。

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の年間投資上限額は両枠合計で最大360万円
年間投資上限額は従前の「一般NISA」では120万円だったのが「成長投資枠」は240万円となり、「つみたてNISA」では40万円だったのが「つみたて投資枠」では120万円と増額されます。新しいNISAでは両者の年間投資上限枠は併用ができますので、年間投資額は合計360万円まで可能となります。また、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を別々の金融機関で利用することはできませんので一つの金融機関で利用することになりますが、利用者それぞれの非課税保有限度額は国税庁において一括管理を行うため、年ごとに金融機関を変更することはできます。

生涯の非課税保有限度額(最大1,800万円)が新たに設定されます。
新たに生涯の非課税保有限度額が買付金額ベースで両枠合計1,800万円に設定されました。非課税保有限度額(1,800万円)は「つみたて投資枠」だけで使いきること可能ですし、「成長投資枠」のみで使うことも可能です。ただし、「成長投資枠」の非課税保有限度額は、1,200万円とされています。また、新しいNISAで取得した商品を売却した場合、その売却した元本分の額については枠が空くため、売却の翌年以降に再度、非課税口座での投資(枠の再利用)が可能となります。

NISA口座では金融商品の売却益や配当金が一定の範囲内で非課税となりますが、売却損失が発生しても、特定口座や一般口座の利益と損益通算はできませんし、3年間の繰越控除使えないため注意が必要です。

詳しいことは、税務の専門家である税理士にご相談ください。