Q. 当社は中古車販売業を営んでいますが、消費者から買い取った車両について仕入税額控除を行うことはできませんか。

A. 中古車販売業は古物商に該当しますので、一定の事項(※注1)を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除を行うことができます。ただし、消費者などのインボイスを交付できない者から棚卸資産を取得した場合に限ります。なお、質店、宅地建物取引業、再生資源及び再生部品を購入する事業を営む事業者でも同様です。

古物営業法上の許可を受けて古物営業を営む古物商が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する古物(古物商が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります)を買い受けた場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

したがって、古物商が消費者から中古車の仕入れを行った場合には、一定の事項を記載した帳簿を保存することで仕入税額控除が認められます。相手方が適格請求書発行事業者である場合は、適格請求書の交付を受け、それを保存する必要があります。

また、古物商が適格請求書発行事業者以外の者から古物を買い取る場合のほか、適格請求書発行事業者以外の者から仕入れを行う次の3つの場合も同様に、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることが困難な場合として、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

  1. 質屋営業法に規定する質屋営業を営む質屋が、適格請求書発行事業者以外の者から質物(質屋が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限る)を取得する場合
  2. 宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業者が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する建物(宅地建物取引業者が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限る)を購入する場合
  3. 再生資源卸売業その他不特定かつ多数の者から資源の有効な利用の促進に関する法律に規定する再生資源及び再生部品を購入する事業を営む事業者が、適格請求書発行事業者以外の者から再生資源及び再生部品(購入する事業者が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限る)を購入する場合

*注1 「一定の事項」とは
①取引の相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地 ②取引年月日 ③取引内容 ④支払対価の額 ⑤古物商特例又は質屋特例の対象となる旨
※古物台帳等は①~④の事項が記載されるものであるため、⑤の事項が記載された帳簿を合わせて保存することで上記保存要件を満たすことも可能です。

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